イメージ 1

カー坊は、ゴンベさんの話を聞いて、
口に入れたおにぎりを出そうとします。

イメージ 2
 ゴンベさんは、
「食べれ。オマエだって腹すかせてるのは一緒ダ」
と言ってくれました。

イメージ 3

「かあああっ!」
と、情けなさそうに泣くカー坊。
「オマエだけでも、楽しく年を越してくれ。お地蔵様は恨みはしねえだ。
ほら、笑ってなさる。」
ゴンベさんは、ひらめきました。
「そうだ。お地蔵様にはこの笠ァ差し上げましょう。
手伝ってくれろ。」

イメージ 4
ゴンベさんと、カー坊は、二人でお地蔵様に笠をかぶせました。
「カア!」
一つ足りません。
笠は5つ一組だったのです。」

イメージ 5
「あんら、ひとつ足りネエか。
じゃあ、せめてオラの手ぬぐいさ、かぶって下せえヨ」
ゴンベさんは、お地蔵ちゃんに、自分がかぶっていた手ぬぐいを
かぶせてあげました。
(カー坊は、汗で色の変わった手ぬぐいに、ちょっとお地蔵ちゃんを気の毒に思いました)

イメージ 6

「それでは皆さま、良いお年を」
ふかぶかと頭を下げるゴンベさん。

イメージ 7

去って行くゴンベさんの後ろ姿に、
「かあああ!」
と叫ぶカー坊。
カー坊は、ゴンベさんの後をつけました。